コラム
COLUMN
2024.11.08
ABテストの検証方法とは?目的や注意点についても紹介
Web上での集客や売上を向上させるために、WebサイトやWeb広告の改善を検討している担当者の方もいるのではないでしょうか。しかし、何が原因で成果が出ていないのか明確でなければ改善することは難しいといえます。
WebサイトやWeb広告を改善する方法の一つとしてABテストの実施が挙げられます。 最適なABテストを実施することで、自社のWebコンテンツが抱える課題を把握して検証することができます。
この記事では、ABテストの概要について、また検証する方法や検証の際の注意点などについて解説します。
ABテストの概要
まずはABテストとは何か、概要を把握しておきましょう。
ABテストとは?
ABテストとは、Webマーケティングの手法の一つです。例えば、広告クリエイティブやランディングページなどを2パターン用意し、どちらの方が高い成果が出るのかを検証するテストを行います。 場合によっては3パターン以上を用意して検証するケースもあるため、必ずしも2つのパターンの比較と限定されているわけではありません。
ABテストを行う目的
ABテストは、クリック率やコンバージョン率の向上を目的として実施します。コンバージョンとは、Webサイト上で設定している目標に対してユーザーがアクションすることをいいます。
例えば、商品やサービスの購入を目的としているECサイトの場合、ユーザーが購入するためのアクションを行うことがコンバージョンになります。 コンバージョン率とは、アクセスしてきたユーザーのうち、どの程度の割合がコンバージョンに至ったのかを表す数値(コンバージョン率=コンバージョン数÷アクセスユーザー数)です。
AB テストを実施することで、どのパターンがコンバージョン率の向上に影響しているのかを判断できます。離脱率の改善や検索ユーザーの流入増加などもABテストの実施によって見込むことができます。
ABテストの検証を判定する方法
ABテストは、短期的ではなく長期的にクリック率やコンバージョン率を上げていくうえで有効な方法です。Webマーケティングの基本的な施策ともいえるため、検証する方法について押さえておきましょう。
ここからは、ABテストの検証を判定する方法を紹介します。
仮説検定
ABテストを検証するためには、ABテストの結果が偶然ではないことを証明する仮説検定と呼ばれる方法を用います。
例えば、パターンAとパターンBでテストを実施した際に、パターンBの方の数値がよい結果になったとしても、偶然にもパターンBの方の数値が高かった可能性があります。これを証明するために仮説検定を行っていきます。証明するためには、限りなく正解に近い結論を出すためにテストと検証を重ねていく必要があります。
有意差・誤差
ABテストの結果を統計的に信頼できるかどうか判断するためには、有意差と呼ばれる数値を確認する必要があります。有意差とは、偶然による誤差では済まされない統計的に意味がある差のことをいいます。
ABテストを行う時期やトレンドによって結果が変動するため、実績値が変動しやすい点も覚えておきましょう。場合によってはLPOツール(ランディングページ最適化ツール)を投入し、効果を判断することも大切です。
有意差がなぜ必要なのかは、統計学には「誤差」という考え方があるからです。誤差とは、測定などで得られた近似値と真の値の差を指します。
例えば以下のような2つのパターンがあったとします。
パターン1
・アクセス数10、CV数4、CVR40%
・アクセス数10、CV数6、CVR60%
パターン2
・アクセス数10,000、CV数400、CVR40%
・アクセス数10,000、CV数600、CVR60%
コンバージョン率は同じではありますが、パターン1の場合、アクセス数自体が少ないため誤差である可能性があります。一方、パターン2の場合は、基準となるアクセス数が多いことから信頼できる数値である可能性が高いです。偶然や誤差が少なく、信頼できる差であることを「有意差がある」といいます。
背理法
ABテストの結果を検証する際は、背理法を使用するのも有効です。
背理法とは、パターンAの結果が正しいと主張したい場合に、パターンAの結果は正しくないという前提で検証を行い、検証結果に矛盾が生まれることを証明する方法です。
例えば、「ABテストを実施した2パターンに有意差がある」と証明したい場合は、下記の仮説が想定できます。
・2パターンに有意差がある
・2パターンに有意差がない
一方の仮説が否定できれば、もう片方の仮説が正しいことになるため、一つの仮説を否定する考え方で検証を行います。
ABテストの検証を行う際の注意点
ABテストはWebマーケティングにおいて効果的な方法ですが、検証する際には注意しておくべきことがあります。
ここでは、ABテストの結果を検証する際の注意点についてご紹介します。
ABテストを始めるタイミングを間違えない
ABテストは検証を行うことでWeb上の課題解決につながる方法ですが、タイミングによっては十分な検証結果が得られない可能性もあります。
ABテストを始めるタイミングとしては下記の3つのタイミングがおすすめです。
・集客施策におけるページの改善に課題があるとき
・ランディングページの離脱率が高いとき
・ファーストビューに複数の要素があるとき
自社のマーケティングにおいて、上記のような課題を抱えているときはABテストによる改善が見込めます。
ABテストの目的を明確にする
ABテストを実施する際は目的を明確にすることが大切です。ABテストの目的はクリック率やコンバージョン率の向上であるため、コンバージョン率に関連する具体的な数値を目的とするのがよいでしょう。
例えば、下記のような事例がABテストのよくある目的です。
・トップページからの遷移率を上げたい
・サイトからの離脱率を改善したい
・広告やバナーのクリック率を上げたい
企業として発信しているWebコンテンツの現状の数値を把握したうえで、目的を明確にしましょう。
ABテストは同時に行わない
ABテストを実施する際は、改善したい箇所を1箇所ずつ行うようにしましょう。2箇所以上同時にテストを実施してしまうと、一体何が原因で成果が出たのか分析しにくくなります。1箇所ずつ時間をかけてテストしていくことがコンバージョン率の向上につながります。
ABテスト前に仮説を立てる
ABテストを実施する前に必ず仮説を立てましょう。ABテストを実施していくと、次々と検証したい部分が出てきますが、闇雲に検証してもコンバージョン率の減少につながってしまう可能性があります。
「こうしたらよくなるのではないか」という仮説をもとにABテストを実施しましょう。
まとめ
今回はABテストを実施するうえでの検証方法や注意点について解説しました。ABテストはWebマーケティングにおいて高い効果が見込める検証方法です。企業のマーケティング担当者でも始めやすい施策であるため、ABテストの基本的な内容を理解したうえで実践してみましょう。
株式会社DigiCon(デジコン)では、Webマーケティング事業を行っており、お客様の課題を解決します。集客や問い合わせ件数で課題を抱えている企業様はぜひお問い合わせください。