コラム
COLUMN
2023.8.04
広告業界の今後の動向とは?業界の基本情報から求人市場情報まで紹介
広告とは、企業の商品やサービスを多くの人にアピールするためのものであり、広告の制作や運用を行う業界を広告業界と呼びます。広告業界で働くことに興味がある人は、今後どのように変化するのか気になっている人もいるでしょう。
この記事では、広告業界の概要や具体的な仕事内容、業界の動向や今後などについて解説します。また、スキルアップに役立つ資格や業界の給与相場などについても紹介していますので、就職や転職を検討している人は参考にしてください。
広告業界について
広告とは、企業がビジネス目的で商品やサービスを多くの人に伝えるためのものです。従来の広告は、テレビCMや新聞、雑誌などへの掲載が主流でしたが、昨今のインターネットやスマートフォンの普及に伴い、現在ではWeb広告が主流となっています。
広告の種類は「マス広告」「インターネット広告」「セールスプロモーション広告」の3つに分けられます。マス広告はテレビやラジオ、新聞、雑誌の4媒体に掲載する広告のことです。また、インターネット広告は、Webサイトやアプリなどに配信する広告です。セールスプロモーション広告は、DMや屋外広告、中吊り広告などが該当します。
広告業界は主に、広告を出稿する広告主、広告を製作する製作会社、広告を掲載するメディア、広告のプランニングを行う代理店の4つから構成されています。
広告業界の仕事内容とは?
広告業界の仕事内容は、職種によってさまざまです。ここでは「ビジネスプロデュース」「クリエイティブ職」「プランナー」の3つの職種の具体的な仕事内容について解説します。
ビジネスプロデュースの仕事内容
ビジネスプロデュースとは、営業と呼ばれる職種で、広告主となるクライアントの窓口としての役割を担います。クライアントのニーズをヒアリングし、広告の提案を行うことが主な業務内容です。受注後は広告制作の進捗管理や調整なども担当します。
クリエイティブ職の仕事内容
クリエイティブ職は、商品、サービスの特徴を元に広告物を制作する職種です。言葉やビジュアルを駆使して消費者の心を動かすような広告を制作します。クリエイティブ職の中でも、アートディレクターやコピーライターなどさらに細かく職種が分かれています。
プランナーの仕事内容
プランナーは、ビジネスプロデュース職が得たクライアントの情報を元に、広告のプランニングを行う職種です。具体的には、ターゲットのニーズを踏まえ、市場調査を行い消費者の興味関心などを明らかにし、企画を提案します。
広告業界で働く場合のキャリアプランの例
ここでは、広告業界で働く場合のキャリアプランの一例をご紹介します。会社の規模にもよりますが、入社数年目の段階で大きな案件を任せられる人もいます。広告業界への就職を検討している人は参考にしてください。
入社1年目~
入社1年目は、広告の基本的な知識やノウハウを学びます。OJTや研修を通してさまざまなことを吸収し、お客様を担当していきます。まずは、担当クライアントのために成果をあげることを目指して業務に取り組みます。
入社2年目~5年目
入社2年目になると、担当するクライアントの種類も幅広くなることもあります。そのため、担当するクライアントに応じた業界の知識が必要です。また、3年目以降は仕事にも慣れ、クライアントとの信頼関係も築けているケースが多くなるため予算も大きくなり、クライアントへの提案内容やバリエーションも広がるでしょう。
入社5年目以降
5年目以降になると、人によっては仕事が評価され、リーダーやマネージャーになる人もいます。また、一定の経験を積んで転職を検討する人もいるでしょう。企業の規模によっては、マーケティングの責任者を任されることもあります。
広告業界で必要なスキルとは?
広告業界で働くうえでは、さまざまなスキルが求められます。ここでは、具体的にどのようなスキルが求められるのか解説します。
最新情報を取り入れる
広告業界の仕事においては、消費者の心を動かすようなクリエイティブの制作が求められるため、常に世の中のトレンドや世論に敏感であることが求められます。最新情報を取り入れる、疑問点や気になることはすぐに調べるなど、積極的に情報収集をすることは広告業界で働くうえで重要です。
スケジュールの管理
広告業界の仕事は、社内の関連部署やクライアント、協力会社、メディア、各関係会社など社内外のさまざまな人たちと協力しながら業務を進めていきます。スムーズに業務を進めるためには、適切なスケジュール管理が必要不可欠です。担当者のスケジュールを踏まえたうえで適切な進行管理を行うスキルが求められます。
旺盛なチャレンジ精神
世の中のトレンドや消費者の興味、関心は日々変化するため、消費者のニーズにあった広告媒体も日々進化しています。消費者に関心を持ってもらうために広告業界で働くには新しい施策を積極的に取り入れていく姿勢が欠かせません。このように好奇心旺盛な人やチャレンジ精神を持っている人は広告業界との相性がよいといえるでしょう。
高いヒアリング能力
広告業界の仕事は、クライアントのニーズを把握し広告の企画設計を行うため、クライアントが何を求めているのか理解するヒアリング能力が必要不可欠です。不十分なヒアリングで商談が進むと、間違った施策内容を実施することになり、反対に業績が悪化する可能性があります。正しいヒアリングができていれば、課題を正しく認識でき、適した施策の実施が可能となるため、業績拡大が見込めます。
広告業界の給与相場はどのくらい?
求人ボックスによると、広告営業の年収437万円となっており、広告プランナーは年収500万円となっています。広告業界というと給与が高いイメージを持つ人もいるでしょう。
また、業界全体で見ると、給与幅が大きく、役職やスキル、実績に応じて年収1,000万円を超える人もいるようです。また、成果や頑張りに応じて賞与やインセンティブがあり、高収入を狙える企業も多いです。
※参考元:求人ボックス|広告営業の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)
※参考元:広告プランナーの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)
広告業界で役立つ資格は?
広告業界への就職や転職で有利になる資格としては「Googleアナリティクス個人認定資格」「ウェブデザイン技能検定」「Webクリエイター能力認定試験」の3つがおすすめです。
広告業界で就職、転職する際に、必須となる資格ではありませんが、持っていると役に立つ資格です。
資格名 | 概要 |
---|---|
Googleアナリティクス個人認定資格 | ・Googleが実施する資格試験 ・Googleアナリティクスの基本知識や分析方法などが身に付く ・Eラーニング受講後に試験を受けられる ・受験料無料 |
統計検定 | ・統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験 ・データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力が身に付く |
Webクリエイター能力認定試験 | ・技術検定委員会が実施する資格試験 ・デザインやコーディングなど、Webサイトの制作に関する知識が身に付く ・Web広告業界への就職を希望する人におすすめ ・エキスパート→7,500円(税込) ・スタンダード→5,900円(税込) |
広告業界の最新情報や今後の動向
ここでは、広告業界の動向について解説します。広告業界は今どのような状況にあり、何がトレンドなのか、解説していきます。
広告業界の最新情報
電通グループの調査によると広告費成長率は成長見込みとなっています。2022年の成長率の予測は、インフレ率の上昇に伴い個人消費が減った部分もありますが、コロナ禍からの回復が引き続き見られることでイベントなどによる広告出稿需要の高まりなどもあり、成長が見込まれています。
また、業界全体の成長を引っ張るのはデジタル広告です。デジタル広告費の2022年の成長率は上昇しており、今や広告業界におけるデジタル広告の存在は大きなものとなっています。また、以前は広告の主流であった4媒体広告(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)の広告業活動指数が低下傾向で推移していることから、近年のインターネット、スマートフォンの普及により、4媒体広告などのマスメディア広告からインターネット広告などへ主流の広告媒体が移行していることも想定されています。
参考元:電通グループ、「世界の広告費成長率予測(2022~2024)」
広告業界の今後の動向
広告業界は今後、広告の配信される場所や広告自体が変化していくと予想されます。具体的には、デジタル化がさらに進むことで、ターゲットのニーズに適した広告を表示するなど、個別化の傾向がさらに強くなる可能性があります。また、ビッグデータを活用してデータ分析をすることで、特定の人だけに広告が表示されるといった広告配信も考えられ、より精度の高い広告配信へと変化していくでしょう。
また、すでにマス広告からインターネット広告へとシフトしていますが、今後新たなプラットフォームができ、業界のシェアが変化する可能性もあります。
まとめ
本記事では、広告業界の概要や広告業界の仕事内容、給与相場、広告業界の動向などについて紹介しました。広告業界は、従来のマス広告からインターネット広告へと大きなシフト転換が起こっており、現在ではインターネット広告が業界の成長を牽引しています。今後は、技術の発達により広告の個別化の傾向が強くなる可能性もあるなど、大きな変化が予想されます。変化に対して柔軟に対応するためにも、これから広告業界に就職や転職を考えている人は、最新情報の収集や資格取得を通して、基礎知識をつけておくことがポイントとなります。
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